Notion AIを1ヶ月使った

投稿日 2023-04-23
最終更新日 2023-11-18

タイトルの通り、Notion AIを1ヶ月使ったのでその感想を書きたいと思います。
この手の記事は散々出ていると思いますが、自分の経験談を元に書いたので参考にしてください。

Notion AI概要

もはや知っている人の方が多数だと思いますが、Notion AIの詳細について簡単に触れておきます。
Notionは、タスク・スケジュール・ドキュメント等の管理ができる多機能なツールです。多機能すぎて、「〇〇ツール」と表現できません。Notion AIは、そんなNotionの付加機能として実装されたLLMを利用できるサブスクリプションプランです。
Notion AIは月$10で利用でき、ChatGPT Plusの$20よりも安価に利用できます。最初の20回は無料で体験できます。私は無料体験期間終了後に出るクレジットカード番号入力画面から購入しましら。なお、無料枠は月毎ではなく合計で20回のため永続には使えないため注意してください。
基本的な使い方は簡単で、特定の文章を書いた後、「Ctrl + J」を入力することで続きを書くオプションを利用できます。以下がその例です。



Notionのドキュメント作成の機能を利用していますが、上記のようにChatGPTチックなコード支援もできます。
また、特定の範囲を選択し、文章添削をしてもらうこともできます。



その他、箇条書きから表を生成したりすることもできるようです。

サブスクを購入した理由

それまではChatGPTの無料版を利用していたのですが、気がついたら非常に重くなり、生成に時間がかかったりネットワークエラーが発生したりするようになりました。そのため、ChatGPT Plusに加入することを考えましたが、その際にそれより安価なNotion AIの存在を知りました。まだLLMの経験が薄く、どのくらいの対価を支払うものなのかわからなかったため一旦安い方を使ってみることにしました。なお、この時にはすでにGPT-4が出ていましたが、そこまで高精度であることは求めてなく、早いレスポンスをしてくれることを期待していたため、無料体験版の時点で早い生成速度であることがわかっていたのも理由です。

使用用途

どうでもいいことを聞いて遊ぶこともありますが、実用的な用途としては以下の2つです。
主に2つの用途で使用しています。

JavaScript(TypeScript)およびPythonのコード支援

当時、React + FastAPIで自作アプリを作っていたためそのことに関する質問をよくしていました。
特にReactはかなり経験が浅かったのでこのあたりでかなりお世話になりました。
その他、エラー文を貼り付けて一緒に原因を考えてもらうこともしました。

ブログの執筆のアシスタント

このブログを作る際、Notionに下書きを起こしていました。そのため、執筆支援機能をそのまま利用することができました。具体的には上記の文章添削をよく行なっていました。「文章を改善する」「長くする」が主に使った機能です。

感想

では、1ヶ月使った感想についてです。なるべく、LLM全体に言えるようなことではなくNotion AI固有の点について書いていこうと思います。
まず、良い点についてはやはりコストパフォーマンスかと思います。有料版ChatGPTよりも$10安く使用でき、かつ高速な文書生成を実現してくれる点がいいです。あとは、Notionというドキュメント作成に使っていたツールに組み込まれていたのも良いと思います。この機能によって、プロンプトエンジニアリングに時間をかけることなく運用できています。一方でコーディング支援等もストレスなく運用できており、対話型のツールでしか実現できないものは私の中ではないです。
一方で、気になる点もいくつかありました。まず、ブログ執筆についてです。確かに文書添削などのアシスタントとしてある程度有用かと思いますが、一から執筆してもらいそれを少し直して投稿、ということはできないように感じます。というのも、私が書く記事は自分の体験談をもとに書いており、AIがそれを知る由もないからです。「ブログをAIが書く時代」と言われていたりしますが、私がブログの執筆をAIに丸投げすることは今まで一度もなかったです。また、アシスタントも完璧ではなく、AIが添削した文章を私がもう一度直す、といったことも多々ありました。どうやらNotion AIはお堅めな表現に直す傾向があり、私の執筆方針と合わなかったためです。また、基本的にレスポンス速度に問題はないのですが、一時期、生成が遅かったりエラーが発生したりすることがありました。おそらくユーザー数増加によるサーバーの高負荷かと思うので、今は問題ないとは思います。

Notion AIは使うべきか

ChatGPTの比較

「ChatGPTとNotion AIどちらを使うべきか」という質問に関しては、「精度か料金どちらを取るか」という答えになると思います。ChatGPTはGPT-4を搭載しているため、Notion AIよりも高精度です。これまでのgpt-3.5-turboも使えるため、レスポンス速度を重視したい場合はそちらに切り替えれば良いだけです。そのため、月$20を払っていいならChatGPT、ちょっと高いなと思うならNotionAIという決め方になると思います。
ネット上では「情報を収集したいならChatGPT、文章を書きたいならNotion AI」といったことが書かれていましたが、正直この点での使い分けはあまりないように感じます。先ほどの通り、Notion AIでもコード支援は簡単にできるためです。強いて言うなら文章添削にChatGPTを使うと、多少のプロンプトエンジニアリングが必要になるとは思います。

LLMサービスはかなり増えている

一方で、この数ヶ月でLLMサービスがかなり増えておりChatGPT以外もライバルになりそうではあります。特にNotionと似たアプリにAIが組み込まれることが続々と発表されています。 MicrosoftはOffice 365の新機能としてNotionライクのアプリである「Loop」を発表しました。ここには、GPT-4が組み込まれることが判明しています。 また先日、Atlassianが製品一式にAIを組み込むことを発表しました。中でもConfluenceはNotionと似たサービスであり、競合になりそうです。
Notion AIを使い続けるかはこれらのアプリのパフォーマンスや料金体系によると思います。

今回は以上になります。LLMが乱立してきているので、今後Notion AIから切り替えることも十分にあり得ますが、少なくともこの1ヶ月はかなりお世話になりました。

参考